信用情報開示の見方と異動情報・延滞の記載場所


「ローン審査になぜ通らないのか」
「開示報告書の見方がよくわからない」

ローン審査などに通らず、取り寄せた信用情報の開示報告書。しかし、記号や専門用語ばかりで、どこを見ればよいか分かりにくいものです。
本記事では、信用情報問題に強い弁護士が、開示報告書の正しい見方と、審査への影響を判断するチェックポイントを解説します。

【この記事のポイント】

1. 最優先は「異動情報」を探す
これがあると、カードやローンの審査は通りにくくなります。

2. 次に「入金状況」を見る
過去の支払いで延滞記録があると、審査落ちの原因になります。

3. 悪い情報はすぐ消えない
異動や延滞などの情報は、すぐに消えません。また、裏ワザで消すこともできません。また、本題に入る前に、日本にある3つの信用情報機関についてお伝えします。

機関名 主な加盟店
CIC クレジットカード・信販会社・携帯電話会社
JICC 消費者金融
KSC 銀行・信用金庫

※各機関ごとの細かい見方は、記事の中で解説します


これらを踏まえた上で、開示報告書で「具体的にどこを見ればよいか」を解説していきます。

信用情報開示でまず確認すべき3つのポイント

信用情報機関(CIC・JICC・KSC)から取り寄せた開示報告書には、多くの情報が記載されています。しかし、審査の影響を判断するために確認すべき項目は、次の3点です。

  • 異動情報があるかどうか(いわゆるブラックリスト状態かどうか)
  • 延滞・支払状況の記録(毎月の支払いが期日どおり行われているか)
  • 契約状況(現在の借入残高と、契約が完了しているか)

住所などの個人情報よりも、まずはこれら3点を確認することで、自分の信用状態の大枠を把握できます。

異動情報があるかどうか

信用情報に異動情報があると、「ブラックリスト状態」となり、一般的なローン審査の通過は困難となります。
※「ブラックリスト」とは、実際に名簿や一覧が存在するわけではなく、信用情報に「異動情報」が登録されている状態を指す通称です。
そのため、最も優先して探すのは、異動情報です。これは、長期間の支払遅延(61日以上または3ヶ月以上)や保証人による代位弁済など、契約通りの支払いがされなかった決定的な証拠となります。
ただし、審査基準は金融機関ごとに異なり、異動情報があっても現在の収入や返済状況を重視する場合もあります。

【各機関の見るべき場所】

CIC:「お支払の状況」欄の「返済状況」に「異動」と明記されているかどうか
JICC:「債権情報」内の「異動参考情報等」欄に文字が明記されているかどうか
KSC:「返済区分」や「完了区分」に「延滞」「代位弁済」が明記されているかどうか

これらが見当たらない場合は、異動情報については問題ないと判断できます。

延滞・支払状況の記録

「異動」がなくても安心はできません。毎月の延滞・支払い状況の記録も、審査では重要視されます。
ここには、過去の支払履歴が記載されています。たとえば、CICの場合は「$(請求どおり入金があった)」以外の記号が並んでいると、審査落ちの原因となることがあります。

【各機関の見るべき場所】

CIC:「入金情報」の過去24ヶ月分の記号を確認
JICC:「債権情報」の「入金日」と「入金予定日」のズレを確認
KSC:「残債額・入金区分履歴」の過去24ヶ月分の記号を確認

各記号の意味は後述しますが、たった一つの記号が、審査の足を引っ張っている可能性があります。

契約状況

契約情報(クレジットカードや各種ローンなど)は、支払いが完了した日付が入っていれば、その日から5年で情報は消えます。
※原則としての期間であり、金融機関側の訂正遅れや登録区分によっては反映に時間がかかる場合もあります。
逆にいえば、ここが「完了」になっていないと、いつまでも情報が残り続け、審査に落ちる原因となります。

【各機関の見るべき場所】

CIC:「お支払の状況」欄にある「終了状況」が「完了」になっているか
JICC:「債権情報」欄にある「契約終了日」に日付が入っているか
KSC:「完了区分」で「完了」になっているか

ご自身の記憶では「支払いは終わった」と思っていても、書類上では契約継続中(未完了)になっているケースは多々あります。
これらを確認することで、ネガティブな履歴が消える正確な時期を予測できます。

信用情報の「異動」の見方|ブラックかどうかの判断基準

ここからは、先ほどの「3つのポイント」を解説していきます。
まずは、開示報告書の中で最も重要となる「異動情報」です。

異動情報とは何か

信用情報における「異動情報」とは、「返済に大きなトラブルがあった」ことを示す事故記録です。
61日以上の長期延滞や、保証会社による代位弁済があった場合に登録され、いわゆるブラックリスト入りをさします。もっとも注意すべきは、一度登録されると、完済しても「5年間」は消えないという点です。
その5年間のペナルティ期間が明けないと、基本的にはローンを組めなくなります。

異動が記録される代表的なケース

具体的にどのような状況で、「異動」が記録されるのか。主なケースは以下の3つになります。

ケース 具体的な内容 信用情報への影響
長期延滞 返済日から61日以上、または3ヶ月以上支払いが遅れた 異動情報が登録され、完済から原則5年間残る
代位弁済 本人が返済できず、保証会社が代わりに支払った 金融事故として異動情報が登録される
債務整理 任意整理・個人再生・自己破産などの法的手続きを行った 手続き完了後も一定期間、異動情報が残る

取り寄せた開示報告書の異動情報に日付が入っているなら、その日付の前後にこれらの出来事がなかったか、振り返ってみてください。

異動がある=必ず審査NGではない理由

異動情報があると審査は厳しいですが、「絶対に借りられない」わけではありません。
実際の審査では、信用情報だけでなく、現在の収入・勤続年数・他社借入状況なども総合的に判断されます。
ただし、異動情報=金融事故という重い事実に変わりはありません。
また、この状態でやみくもに審査の申し込みを繰り返すと、「金策に困っているのでは」と警戒され、余計に審査に通りにくくなります。そのため、まずは「異動情報がいつ消えるのか」を把握することからはじめましょう。

支払状況・入金状況の見方

次にチェックするのは、「入金状況」です。
CICやKSCでは、直近24ヶ月(2年間)分の支払いが記録されています。
この欄は「後日支払いが発生する契約(カードやローン等)」が対象となり、審査担当者はここを見て「期日どおりに支払える人か?」を判断します。

入金状況の記号の読み方

ここでは、最も一般的な「CIC」の報告書を例に解説します。
入金状況の欄には、アルファベットや記号が並んでいて、それぞれの記号の意味は、以下の通りです。(CIC公式資料「信用情報開示報告書の見方」より)

記号 意味 評価
$ 請求通りに入金があった ◎良い
- 請求がなかった(利用なし) ◯問題ない
A お客様の事情で入金がなかった ×悪い(延滞)
P 請求額の一部しか入金されなかった △注意
空欄 契約前などで履歴そのものがない -

すべて「$」か「-」で埋まっているのが理想で、「A」や「P」があると、審査では不利になります。
※JICCやKSCでは、表記が異なります

見落としやすい注意点

入金状況を見るうえで、知っておくべき「2つのルール」があります。

入金状況の記録は直近24ヶ月分のみ

古い記録は、新しい月が来るたびに自動的に消えていきます。
延滞の記録がついても、その後24ヶ月間、請求通りに入金した実績を積み重ねていけば、その記録を押し消すことができます。
なお、この「24ヶ月」は信用情報機関の入金履歴の保存期間に基づくもので、異動情報の保存期間とは別になります。

解約時の記録は5年間残る

解約すると、その時点での「最後の24ヶ月分の記録」が、そのまま5年間残り続けます。
つまり、「延滞」がある状態で解約すると、悪い評価が5年間残るため、すべての欄で請求通り入金した実績を残してから解約しましょう。

審査履歴・照会情報の見方

カードやローンの審査履歴(照会情報)の記録は、「6ヶ月」で自動的に消えるため、半年間待てば審査への影響はなくなります。
逆に、短期間で何社も申し込むと「申し込みブラック」となり、返済能力があっても審査に落ちる原因になります。開示報告書の最後にある「照会情報」を見て、直近の申し込み数を確認してください。

照会情報とは?

照会情報とは、金融機関が審査のために「あなたの信用情報をチェックした履歴(足あと)」のことです。
具体的には、以下の情報が記録され、信用情報機関に6ヶ月間保存されます。

  • 照会日時:いつチェックしたか
  • 照会会社:どの会社がチェックしたか
  • 照会目的:何のためにチェックしたか(契約審査など)

この履歴を見ることで、審査担当者は「最近、他社にも申し込んでいるか?」を確認します。

短期間に照会が多いとどうなる?

結論からいうと、「申し込みブラック」という状態になり、返済能力があっても審査に落ちる原因となります。
短期間に大量の履歴があると、金融機関から「金策に走っている」「お金に困っている」と判断されてしまうためです。

  • リスク:返済能力に関係なく、門前払いで審査落ちする
  • 目安:一般的に1ヶ月に3社以上の申し込みは避ける

そのため、カードやローンに手当たり次第に申し込むのではなく、本命の1社に絞って申し込むようにしましょう。

開示・照会が信用情報に与える影響

自分で開示しても、審査にはいっさい影響しません。

自分によるチェック(開示)

現状把握のために行うもの。何回やっても審査に問題なし。

金融機関によるチェック(照会)

審査のために行われるもの。履歴が多いと「申し込みブラック」の原因になる。
このように「開示」は何回してもマイナス評価にはなりません。安心して現状を確認してください。

CIC・JICC・KSCで信用情報の見方はどう違う?

基本的な見方は3社とも同じですが、KSCのみ「異動情報の登録期間」が長く、注意が必要です。

機関名 主な加盟店 登録期間(目安)
CIC クレジットカード・信販会社・携帯電話会社 5年
JICC 消費者金融 5年
KSC 銀行・信用金庫 5~7年

CICやJICCの異動情報は「5年」ですが、KSCは延滞などの情報は「5年」、官報情報(個人再生・自己破産)は「7年(以前は10年)」残ります。いずれも目安となりますが、銀行系の住宅ローンの利用を考えている方は、この期間の違いを必ずチェックしてください。

信用情報を見て「問題がある」と判断した場合の対処法

開示報告書を確認して、「身に覚えのない情報」や「悪い記録」があったらどうすればよいのか。それぞれの状況別に、正しい対処法を解説します。

誤登録の可能性がある場合

「解約したのに契約中になっている」など、事実と異なる情報があれば、情報の誤登録(登録ミス)の可能性があります。
具体的には、以下のようなケースです。

  • 解約したのに、まだ「契約中」のまま
  • 知らない会社名が記載されている
  • 完済したはずの借金が残っている

【対処法】

信用情報機関に連絡しても、訂正はできません。開示報告書に記載されている会社へ直接連絡し、訂正を依頼してください。会社側のミスなら、信用情報は修正されます。

異動が残っている場合

支払いが遅れた事実があれば、異動情報(いわゆるブラックリスト)は絶対に消すことができません。
ネット上では「ブラック情報を消す」と謳う業者もいますが、これらは詐欺です。実際に、信用情報機関であるJICCの公式サイトでも「日本信用情報機構(JICC)等を名乗る詐欺行為について」という警告がされています。
つまり、すぐに異動情報を消せる裏ワザは存在しません。

【対処法】

保有期限(5年など)が過ぎて、自然に消えるのを待つしかありません。 この期間は、新たな借金やローン契約は控え、今の支払いを堅実に行いましょう。

どこまで自分で対応できるか

基本的には、以下は自分で対応できます。

  • 信用情報の確認(開示請求)
  • 誤登録の訂正依頼(記載されている会社への連絡)

その一方で、事実として記録された延滞などの情報は、自分では何もできず、記録が消えるのを「待つ」しかありません。

専門家に相談すべきケース

自分ではなく、弁護士に相談すべきケースもあります。

1. 5年以上放置している借金があることがわかった場合

「最後の返済から5年以上」経過していて、裁判所での手続きなどがなければ、民法第166条(債権の消滅時効)に基づき、支払い義務をなくせる可能性があります。
※「最後の返済」以外にも、裁判を起こされていたり、支払いの猶予を求めたりしていると時効にならない場合があります。正確な判断は必ず弁護士へ相談してください。
弁護士に依頼することで、以下のような専門的な手続きを行います。

時効の成立判断

取引履歴や裁判記録を取り寄せ、時効の条件を満たしているか精査する

証拠の確保

過去の支払状況や中断事由がないかを法的に分析する

時効援用の通知

内容証明郵便を作成し、確実に時効を成立させる手続きを行う

うかつに自分で連絡すると、債務の承認とみなされ、時効が成立しなくなる恐れがあるため、必ず専門家を通してください。

2. 返済が厳しく、生活が回らない場合

現在、支払いに困っている場合は、債務整理(任意整理や自己破産など)を検討しましょう。借金の減額や免除が認められれば、生活を立て直すことができます。

よくある質問(FAQ)

Qどこを見ればブラックかわかる?

各報告書において、以下の記載があれば、いわゆる「ブラック」状態かどうかが判断できます。

  • CIC:返済状況欄に「異動」
  • JICC:異動参考情報欄に「延滞」や「債務整理」
  • KSC:「代位弁済」や「官報情報」

これらの記載がなくても、入金履歴に「未払い」や「支払いの遅れ」の記録があると、審査には非常に不利になります。

Q1回の延滞でも異動になる?
基本的には1回のうっかりミスで、すぐに「異動」にはなりません。 一般的に「異動」になるのは、「61日以上または3ヶ月以上の長期延滞」をした場合です。
ただし、1回でも延滞すると、入金状況の欄に記録され、これが24ヶ月間(2年間)残るため、今後の審査に影響する可能性はあります。
Q開示しただけで信用情報は回復する?
開示しただけでは、信用情報は回復しません。開示請求はあくまで「現状を確認するだけ」の手続きです。
信用情報を回復するには、借入を完済するか、時効援用などの手続きを行い、その「完了日」から一定期間(主に5年)が経過するのを待つ必要があります。

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